想像ラジオ、それは誰もが自由に聞くことが出来る。想像なので、ラジオがあろうとなかろうとどこでだって受信でき、好きな曲が流れ、遡ることも可能である。DJは、高い高い杉の木の頂上で、仰向けになっている男。彼は愛する妻と子が気がかりで、その思いが想像ラジオ開設に至らしたのかもしれない。リスナーはまたたく間に増えるが、肝心の人の耳には届かない。そして、ある人はその存在を感じるが声は聞こえず、車の中でよくわからない議論をしては想像ラジオを聞こうとする。やがて、木の上のDJは家族の声に耳を傾け、お父さんとお兄さんは先に旅立っていく。
主人公の語りは良いけれど、Sさんがよくわからず、車の中での議論もいまいちピンとこないし、ラストが思ったよりパッとしなかった。全体的に、良く分からない、という印象。感動というのも特になかった。