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【小説】ペギー・スー 1 魔法の瞳をもつ少女

8/10

ペギー・スー(1) 魔法の瞳をもつ少女 (角川文庫)

ペギー・スー(1) 魔法の瞳をもつ少女 (角川文庫)

 世界でただひとり、お化けの姿が見えるペギー・スーだが、お化けたちはその事を快く思っていないので、ペギーに嫌がらせを行う。例えば、ペギーの手を操って黒板に卑猥なことを書かせたり、姉を殴らせたりする。
  

 そんな感じだから、ペギーは転校を繰り返さねばならず、家族からも疎まれる状況になってしまっている。

 ある日、引越したばかりの町で、突如として青い太陽が現れる。その太陽の光を浴びた者は、1日だけ天才になった。そして、ラジオや電話の電波が完全に遮断されてしまう。

 人々は取り敢えず天才になって、金儲けのために何か発明しようとするがうまくいかず、そのうち人々はおかしくなってしまうので、町長は青い太陽を浴びるのを禁止する。
 
 そんな中、町の外へ通じる森を抜けようとした者が木のテッペンで変死する。車で町を出ようとした者たちも、次々と事故死。
 ペギー・スーだけは、これがお化けたちの恐るべき計画だと気付いていた。
 しかし一体最終的な目標は何なのか、考えあぐねていると、ある違和感がペギーの胸をよぎった。町の動物たちが、姿を消していたのである。

 裏表紙のあらすじだけ読むと、子供向けの、ほのぼのとしたファンタジーかと思ったが、まったくそうではなかった。
 フランスのスティーブン・キングというだけあって、中盤からホラー性が高まってくる。
 なにやら達観しているペギーに、ペギーをまったく信じない大人たちや、欲にまみれた人々にやきもきしつつ、これが本当に児童書なのかと疑ってしまう内容で、面白かった。